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蜜恋~お義父さんとは呼べなくて~④牡丹の花の咲く頃には
第11章 海の町から
急に輝きを失った蒼海に気づき、頭上を見上げてみれば、鉛色の雲が俄に空を覆い尽くそうとしている。和尚は興味を失ったように、眼前の海から視線をキョンシルに戻した。
「あやつの父とあやつは、そっくりですよ。儂はご覧のとおり、若い頃から女には見向きされるどころか、逆に怖がられる面相でしたが、あやつの父はなかなかの優男でした。言い寄る女人には引きもきらず、儂から見れば羨ましいのひと言に尽きましたがなあ。