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蜜恋~お義父さんとは呼べなくて~④牡丹の花の咲く頃には
第3章 哀しみはある日、突然に
―ああ、私がもっと早くに気づいていれば。
いつもよりも一段と美しい母をトスに見せたくて、母の白粉を濃くしたり、紅(べに)の色に気を遣ったり、そんなことばかりしか考えていなかった。
多分、もっと前から、母は具合が悪かったのだろう。そういえば、少し早めの夕餉も殆ど手を付けず、残したのだ。キョンシルは、これから更に美しく変身した母を見たときのトスの愕きぶりを母が想像して、胸が一杯なのかと勝手に良いように勘違いしていたのだが―。
いつもよりも一段と美しい母をトスに見せたくて、母の白粉を濃くしたり、紅(べに)の色に気を遣ったり、そんなことばかりしか考えていなかった。
多分、もっと前から、母は具合が悪かったのだろう。そういえば、少し早めの夕餉も殆ど手を付けず、残したのだ。キョンシルは、これから更に美しく変身した母を見たときのトスの愕きぶりを母が想像して、胸が一杯なのかと勝手に良いように勘違いしていたのだが―。