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蜜恋~お義父さんとは呼べなくて~④牡丹の花の咲く頃には
第13章 恋の病
ここは自分が息子のためにひと膚脱いでやるべきだろう。いつだって、そうしてきたではないか。最愛の息子の望むものは、何でも手に入れ与えてきた。
沓脱石の手前に紫陽花のひと群れが咲いている。既にうっすらと蒼く色づいた花は、見事に染め上がれば、この町に豊かな恵みをもたらしてきた母なる海と同じ色に変わる。古来から、この町の人は海と共に生きてきた。海のお陰で猟師は漁をし、温かい季候に恵まれているがゆえに農業も発達してきた。
沓脱石の手前に紫陽花のひと群れが咲いている。既にうっすらと蒼く色づいた花は、見事に染め上がれば、この町に豊かな恵みをもたらしてきた母なる海と同じ色に変わる。古来から、この町の人は海と共に生きてきた。海のお陰で猟師は漁をし、温かい季候に恵まれているがゆえに農業も発達してきた。