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蜜恋~お義父さんとは呼べなくて~④牡丹の花の咲く頃には
第13章 恋の病
いっそのこと、この寄せては返す波に身をゆだね、広い海を漂い流れ、行き着くところまで行けたなら。恋しい男のいない場所、ここではないどこかへ行けたなら、どんなにか心安らかに暮らせることだろうか。
否、自分は、けしてどこへも行けはしないことをキョンシルはちゃんと知っている。トスの側を今更、離れるなんて、できるはずがない。第一、どこに行ったとしても、心の奥にしっかりと刻み込まれているあの男の面影を消せやしないのだ。自分のこの生命が終わるとき以外は。
否、自分は、けしてどこへも行けはしないことをキョンシルはちゃんと知っている。トスの側を今更、離れるなんて、できるはずがない。第一、どこに行ったとしても、心の奥にしっかりと刻み込まれているあの男の面影を消せやしないのだ。自分のこの生命が終わるとき以外は。