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蜜恋~お義父さんとは呼べなくて~④牡丹の花の咲く頃には
第3章 哀しみはある日、突然に
しばらく水を打ったような静寂が続き、やがてそれは医者自身の声で終わりを告げた。
「残念だが、既に事切れておる。もう手の尽くしようがない」
キョンシルの眼から大粒の涙が溢れ、頬を流れ落ちた。覚悟していたとはいえ、それでもまだ一縷の望みを抱いていたのだ。
医者が枕元に落ちていた粉薬の残骸をめざとく見つけた。
「これは?」
誰ともなしに問うのに、近くにいたキョンシルが弱々しい声で応えた。