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蜜恋~お義父さんとは呼べなくて~④牡丹の花の咲く頃には
第15章 心のありか
元々、キョンシルの生まれ故郷は都なのだから、また都に戻るつもりだった。女ひとりの長旅は心細いといえば心細い。だが、父を早くに亡くし、母さえも失った今、キョンシルには頼る人とていないのだ。感傷や泣き言ばかりに囚われていても、誰も手を差しのべてはくれないのだから、気をしっかりと持って生きる道は自分で切り開き、自分の身はこの手で守ってゆかなければならない。いつまでも甘えは許されないのだから。
この町を離れる前に、ウォンジュンには直接逢って、話をする必要があった。
この町を離れる前に、ウォンジュンには直接逢って、話をする必要があった。