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蜜恋~お義父さんとは呼べなくて~④牡丹の花の咲く頃には
第15章 心のありか
風の中に潜む潮の香りがふいに強くなった。キョンシルは海から吹き寄せてくる風に眼を眇める。足許の浜木綿が海風に揺れていた。
今日の海は少しだけ波が荒い。見上げれば、空はどんよりと曇り、海面も空の色を映したかのように暗く淀んでいる。
生まれ生まれて、人は死ぬ。ならば、肉体を失った魂は今度はどこに行くのだろう。トスが十五年前に斬ったという友人チョンスは今、何を思い、罪の意識に苛まれるトスを見ているのか。