この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
蜜恋~お義父さんとは呼べなくて~④牡丹の花の咲く頃には
第17章 出逢いはある日、突然に
「チッ、子ども、子どもと言うが、十二にもなってりゃア、ひとかどの大人並みに分別はあるってものじゃねえか。なのに、あのガキは他人(ひと)さまの財布に手をつけやがったぞ」
すかさず横から烈しい声が飛んだ。
「それは、あの子どもの家が貧しくて、その日の食べるものにも事欠く有様ゆえであろう! そなたも人並みの分別のある大人ならば、そのような子どもが財布を盗もうとしたからといって、仕置きをするには及ぶまい。もう少しは穏便な済ませ方というものがあるはずだ」
すかさず横から烈しい声が飛んだ。
「それは、あの子どもの家が貧しくて、その日の食べるものにも事欠く有様ゆえであろう! そなたも人並みの分別のある大人ならば、そのような子どもが財布を盗もうとしたからといって、仕置きをするには及ぶまい。もう少しは穏便な済ませ方というものがあるはずだ」