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ピンクの扉
第15章 智一と亜利砂、大人の関係
「どこだ?どこにいるんだ?」
今すぐ会いに行き抱きしめてあげたかった。
「それが…わからないの…」
桃子は泣きじゃくっていた。
「わかった。GPSで探し出してあげるから
大丈夫、必ず逢えるから!」
もっといろんな事を話したかったし、
釈明もしたかったが、
何よりも桃子を迎えに行くのが先決なので
一度通話を終えてGPS画面にした。
『とんでもない山の中じゃないか…』
なぜ桃子がそんなところに?
考え込む智一を亜里砂の声が現実に戻してくれた。
「智一!今ならまだ
千歳行きの最終に間に合うわ!」
二人は身だしなみを整えるのも忘れ、
着衣を済ますとホテルを飛び出した。
空港に到着すると
「レンタカーは私が返しておきます
智一は時間がないから一人で先に帰って!」
亜里砂くん、すまん!
そう言って智一は搭乗口へ急いだ。