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ピンクの扉
第22章 修行僧
しっかりとメイクを直してお手洗いから出ると
廊下で校長先生と鉢合わせになりました。
「綺麗なお顔に戻られたようですね」
そう言ってイヤミったらしく笑いました。
『ほっておいてよ!』
ムッとしながら校長先生の横をすり抜けました。
私の背後から校長先生は
追い討ちの言葉を投げ掛けてきました。
「園川先生はやめておきなさい。
遊ぶのなら豆田先生をお薦めします
なんなら私で良ければ
いつでもお相手しますけどね」
カチンときた私は引き返し、
「私、園川先生とは
何の関係もありませんから!」
そう言い捨てると
小走りで自分の席に戻りました。
食事を終えて、お茶を啜っている豆田先生は
すっかり機嫌がなおっていました。
「桃子委員長、午後からの住職の説法は
是非ご一緒に聴きましょうね」
私としては園川先生と
あの休憩室で
先ほどの続きを楽しみたかったのですが、
校長先生の言葉が心に引っ掛かりましたし、
委員長として委員の豆田先生を無視するわけにもいかないので
「ええ、そうさせていただきます」と
お返事しました。
満足そうにうなずいた豆田先生は、
さらに美味しそうにお茶を飲みました。