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ピンクの扉
第8章 夫の愛人?

よく見ると女はエプロン姿だった。
それはまさに現地妻の姿を想像させた。


『不潔だわ!主人ったら
メールではお前に会いたい、
お前を早く抱きたいだなんて言っておきながら、
目の届かないのを良いことに
早々に女を作ってたなんて!』


桃子はキッと女を睨みつけ

「私は智一の妻です!
夫を寝取ってさぞかし気分がイイでしょうね!
お二人仲良くヤレばいいわ!この泥棒猫!!」

そう早口でまくし立てると
その部屋から走り去りました。


「奥さま!待って!!違うんです!!」

女の声が背後から聞こえたが
涙が溢れて
グシャグシャになった顔を見られたくなくて
立ち止まらずにその場を後にした。


「誤解です!奥さま!」

女が桃子の後を追いかけてくる…

社宅を出ると
タイミングよくタクシーが通りかかったので
桃子は急いでタクシーに乗り込んだ。


走り去るタクシーを女が呆然と見送っていた。



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