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回想ディスコ
第4章 「弘美の場合」

「でもさ、こうしてワンダーランドに来られるってことはさ、
 今の生活で苦しんでるわけじゃないってことでしょ?」

裕子さんの声はやけに穏やかだった。

彼女の言う通り、今の私は生活に追われて余裕が無いというわけではない。
こうして夜遊びができるくらいのゆとりはある。
そしてなにより、元気に生きている・・

「そうだよ、オレだってさ・・似たようなもんよ」

お腹を揺すって正弘さんが薄く笑う。

「じつはね、オレもバツイチ。
 今は独りの生活を楽しんでるよ」

「へぇ~あなたも?なんか・・今夜はあなたたち2人のためにあるみたいね」

ピンクの口紅女がため息交じりにこぼす。

ほんとにそうかもね・・

横目で正弘さんを見ると、彼も同じように視線をよこす。
そしてあの頃のように、見つめ合う・・
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