この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
回想ディスコ
第4章 「弘美の場合」
「でもさ、こうしてワンダーランドに来られるってことはさ、
今の生活で苦しんでるわけじゃないってことでしょ?」
裕子さんの声はやけに穏やかだった。
彼女の言う通り、今の私は生活に追われて余裕が無いというわけではない。
こうして夜遊びができるくらいのゆとりはある。
そしてなにより、元気に生きている・・
「そうだよ、オレだってさ・・似たようなもんよ」
お腹を揺すって正弘さんが薄く笑う。
「じつはね、オレもバツイチ。
今は独りの生活を楽しんでるよ」
「へぇ~あなたも?なんか・・今夜はあなたたち2人のためにあるみたいね」
ピンクの口紅女がため息交じりにこぼす。
ほんとにそうかもね・・
横目で正弘さんを見ると、彼も同じように視線をよこす。
そしてあの頃のように、見つめ合う・・