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回想ディスコ
第4章 「弘美の場合」

いってらっしゃ~い!

みんなの声に送られながら、私たちはホールの真ん中へと進み出る。

そこで正弘さん、いえロッキーは、あの時と同じようにひざまずいた。
周りの人たちは何事か?と動きを止めて見守っている。
私は笑いながら手を取ってロッキーを立ち上がらせた。

体をピッタリと張り合わせ、ゆっくりと揺れる。
揺れながら耳元で彼が囁く。

「せっかくの運命の再会だからさ、このあと行っちゃおうか・・ね?」

「・・そうね、行っちゃおうか!
 だって私たち、独身だもんね」

元バーコード、振動する腹、余分な肉のついたお尻、ホウレイ線の顔・・

お互いあの頃よりも余分なものをいっぱいくっつけてるけど、
そんな見てくれなんて目をつむれば見えないわ。


そうと決まれば善は急げ!

私と正弘さんは曲の途中でホールから下り、
そしてVIPルームのガラスに顔をくっつけ、親指で入り口を指さした後、
バイバイ、と手を振った。
中ではみないっせいにのけぞった。
でもすぐにクシャクシャに笑った顔で手をふり送り出してくれた。
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