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誘惑のサンタクロース
第1章 ☆
ベッドの中でうずくまって布団をかぶってみるけど、
意味がないくらいにパパは怒鳴っていて、
そんな声聞いていたくなかった。
コートを羽織って
クローゼットからマフラーを取り出した。
あの綺麗な顔のお兄さんが貸してくれたマフラー。
それを首に巻くと、この前嗅いだ香りがした。
甘い、香水の香り・・・?
お兄さんに逢えるかなんてわからなかったけれど、
このマフラーをしてれば逢える気がして、
願掛けみたいな気持ちで、しっかりと首に巻いた。