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誘惑のサンタクロース
第1章 ☆




お兄さんは、わたしがベンチの真ん中に座っているのに
隣に座ってきたから、この前より体が近い。



「あ、マフラー」


マフラーを返そうとして、外しかけると


「いいから巻いてて」


と言いながら、
わたしの首にマフラーを巻きなおしてくれた。



するとコートのポケットから



「黒ちゃんどっちがいい?」



と言いながら、わたしの顔の前に
コーヒーとミルクティーの2本を出してきた。




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