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want to be ...
第8章 葛藤
「あぁ!あんずっ」
お兄ちゃんの足にしがみついてた子供。
「悠翔(ゆうと)~!久しぶりっ」
しゃがんでお兄ちゃんの息子、悠翔の頭を撫でるあたしに
「…こら、なんだとは何だ杏奈…」
とあたしの髪をぐしゃぐしゃと撫でるお兄ちゃん。
「つかお前何でそんな重装備なの?
どこ行ってたんだよ。
スーパーの安売りか?それともどっかの戦地か?」
「…違うよバカ。んー…、ちょっと買い物」
「へぇ~。な、それより。
優奈(ゆうな)と喧嘩しちゃったんだよ俺~。
杏奈~、しばらく泊めて~」
「…はぁあっ!?」
よく見たら、お兄ちゃんの後ろにでっかいスーツケースがある。
お邪魔しま~す、なんて言いながら部屋の扉を開けようとするお兄ちゃんにしがみついて止める。
「ちょちょ、ちょっと待ってよお兄ちゃん!
何でっまた喧嘩!?」
「うん。いじめすぎちゃった」
語尾にハートマークが10個くらい付きそうな声のトーンで言うお兄ちゃんの言葉にため息を吐く。
お兄ちゃんの言う「いじめ」はもちろん性的な意味での「いじめ」だ。
それも多分…ものすごく過激な。
「あんずぅ、あそんで~」
「はいはい、あたしは杏奈ね、杏奈」
「あんず?」
「あーんーな」