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want to be ...
第3章 再会
あれから数か月経ち、あたしは高校2年生になった。
いつものように同じ電車の同じ車両に乗り、高校に着くまでの間、うとうとと眠りの世界に入ろうとしていた。
そんな時。
S駅から乗ってきて、あたしの向かいの席に座った1組の男女。
あまりにもいつもの光景なので、最初、気にも止めていなかったけど。
電車の大きな揺れで目を醒まして顔を上げて2人を捉え、あたしはこれでもかってくらい目を見開いた。
「っ…!」
あー!と叫びそうになった口を押さえる。
叫ばなかったのが奇跡だ。
だって…だってだってだって。
だってっ…えっ!?
あたしの向かいの席に、彼が…
ラブホテルで一夜を明かした彼がいるんだもん!
見間違える訳ない…
髪型も変わり、髪色も明るくなってるけど、独特の雰囲気や相変わらずのイケメンさは顕在。
むしろ…増した?
待って、これは…夢?
あたし、都合いい夢見ちゃってる?
そう思って頬をつねると、痛みが走る。
…夢じゃ、ない。
でも、彼よりももっと驚いたのは、彼と一緒に乗ってきて、彼の隣に座った女の子。
…こんな綺麗な子、初めて見た…
真っ黒なつやつやの長い髪は綺麗に巻かれてて、眉、目、鼻、唇…どれも整いすぎてるパーツが小さな顔に綺麗に収まり、ほんのりピンク色に染まった頬。
首筋の隠しきれてない凄い数のキスマークは、隣の彼がつけたモノなのかな。