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want to be ...
第15章 家族の空間 *17年後*







「きゃぁぁぁああ!」


あたしの悲鳴から始まった、矢野家の朝。


「あぁん遅刻ぅうっ!」


「…んだよ母さん、うっせぇな…」


バタバタとパジャマのままキッチンに走ると、高校1年生の長男、夏希(なつき)と、中学3年生の長女、幸奈(ゆきな)の姿が。


小学5年生の次男、尚太(しょうた)の姿は既にない。


「ごめんね夏希っ!
あぁ幸奈もごめんね、お弁当作れないやっ」


「…見たら分かる。
パパと毎晩盛り上がってるからでしょー、ベッドで」


「そうなのよ、蒼汰ったら最近激し、
…って!えぇっ!?」


「お兄ちゃーん、パパ、エッチ激しいんだって。
ほどほどにしときなよ、ママ」


「へぇそう…父さん激しいんだ。まぁそうだろうな」


「ゆ、ゆゆ幸奈っ!そんな事言わないの!
夏希も聞かないでっ」


「だってママが言うから」


「だって幸奈が言うから」


「…あ。尚太、食パン2枚食べて学校行ったよ」


「あ、ほんとっ!?よかった、ありがとね!」


「パパの作るお吸い物相変わらず
食べ物じゃないからたくさん残ってるよ。
じゃああたし行くね、行って来まーす」


「あ、俺も~」


並んで玄関に向かう我が子2人を慌てて追い掛けるあたし、香坂杏奈。


17年前に香坂杏奈から矢野杏奈になりました。


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