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want to be ...
第19章 俺と杏奈の1か月 蒼汰SIDE
~あぁあ!分かんねぇ!
…、分かんねぇ…
「…1つ、言っといてやる」
「…、あ…?」
机に突っ伏してる俺に、大樹は静かに言った。
「俺は、美咲しか知らない。
美咲の事しか好きになった事ないし、
恋愛に関する事は美咲が全部初めてだ。
そんな経験が乏しい上での意見だが」
「…恋愛って、理屈じゃねぇと思うの。
俺が美咲を好きになった理由…考えてみた事
あるんだが、うまく言葉に表せねぇの。
可愛いだとか、守ってやりたいとか…
そういう事はもちろん、常日頃思ってる。
…だけど、それと恋愛としての思いは
違うんじゃねぇかって思って。
…本能で、相手を求めてんの。
俺にはこいつがいないとダメだ、って。
こいつがいるから俺は今生きてられんだ、って」
「…俺が女嫌いだって事は勿論知ってるよな?
そんな俺が、美咲には嫌悪感を感じなかった。
それはきっと、本能が美咲を求めてたから。
女嫌いの「俺」じゃなく「俺自身」が、美咲を見た途端
こいつと関わんねぇとダメだって思ったの」
「…俺が言いたい事、分かるか?
つまり、俺とお前が、過去にどんな事があろうが
こうして今でも関わっているように…
切っても切り離せない関係の人間は、
この世の中に少なからずいるって事だよ。
お前とその女も、そうなんじゃねぇの?」