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want to be ...
第19章 俺と杏奈の1か月 蒼汰SIDE
「ほら、帰るぞ。家で愛しの奥さんが待ってるだろ、
奥さ…美咲に体使って介抱して貰え」
「…美咲」
美咲の名前に反応した大樹が体を起こし、乱れた髪を掻き上げる。
「ん、ほら。準備して」
「うん」
嬉しそうに帰る支度をする大樹は、何年経っても美咲が行動の原動力らしい。
一応しっかり歩いてる大樹と会計へ行き、財布を出して万札の数を確かめてると…
「え?ちょ…大樹。俺払うつったじゃん。
っおい!」
バサッとトレイに万札を10枚ほど置き、店を出て行った大樹。
どう数えても俺の財布の中の金では足りない為、仕方なく有り難く使わせて貰う。
家帰ったら返さねぇと。
連絡先を交換しろと一向に会計を進めてくれない女を「次来たとき教えてよ」って適当にあしらって余分な万札とお釣りを手に持ち、
「ありがとうございましたぁ、
絶対また来てくださいねーっ」
っていうウザい甘ったるい声を背に店を出た。
…っておい待てどこ行ったあの男。
と思ったら
「…大樹」
何やってんだこいつ。
歩道の端にしゃがみ何かを見てる大樹。
後ろから膝でつつくと整いすぎた顔をこちらに向ける。
「蒼汰~見て。花咲いてる」
「ん?どれどれ。…お、珍しい花だな。
こんな可愛いの初めて見たんだけど…
…じゃなくて!なぁ、かなり酔ってるよな!?」
「酔ってない」