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want to be ...
第20章 再会 蒼汰SIDE
…まさかとは思うけど。
「…杏奈。その人、お前の…」
「お兄ちゃんです。4つ上の」
「はぁっ!?兄貴!?」
そう叫ぶと更に吹き出して笑う男。
…いや、兄貴。
全然似て…るな、よく見たら。
お腹を抱えてヒーヒー言いながら笑う兄貴をぽかんと見つめる。
「あの、何かスイマセン…」
「うわっ…謝られた!ぶはっ…」
「お兄ちゃん!笑いすぎだから!」
「パパ、変なの~」
「ねー、元から変だけどね悠翔のパパ」
…悠翔?
不倫相手とかじゃなくて…兄妹って事か?
で、このガキは兄貴の子供?
…確かに、よく考えたら少し前に杏奈から聞いたような聞いてないような…
何だか…いたたまれなくなってきた。
つか…俺、何いきなり身内になるかもしれない杏奈の兄貴に喧嘩売るような事しちゃってんの…
…あ。
何か照れる、身内とか。
と自分の考えに勝手に1人で照れつつ。
「…俺の勘違いでした。マジスイマセン」
「ぶふっ…」
「お兄ちゃん笑わないで、キモいから。
あの、蒼汰さん…とりあえず上がってください」
「キモいってっ…、っふ、お兄ちゃん悲しい…」
「キモい!さっさと帰れ」
「お兄ちゃんにそんな口きくなよ杏奈~」
「お邪魔します…」
杏奈…兄の前だと遠慮ねえな…
2人で言い合いながら歩いていくでこぼこの後ろ姿をぽかんと見つめ、靴を脱いで着いていく。