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want to be ...
第20章 再会 蒼汰SIDE
「っしゃ、完了。じゃあ帰るわ、ごゆっくり~」
言いつつどっかに消えたと思ったらバカでかい荷物を持って戻ってきて、ガキに上着を着せてる。
そのまま玄関に向かうのを杏奈が追いかけるから、後をついていく。
「あんず、にんげん!ばいばーいっ」
「ぶふっ…あはははは」
…どんだけ笑い上戸なのこの人。
つか人間じゃねーよ俺の名前は。
訂正する気も起きず仏頂面で悠翔を見つめる。
「…どうも」
小さく頭を下げると秋人さんはひとしきり笑った後
「杏奈ぁ元気でな。蒼汰、連絡するからぁ。
結婚式呼べよお前ら」
そう爆弾発言をぶっかまし、手を振って部屋を出て行った。
何か…やらかしたよな、俺。
残された俺達の間に、微妙な空気が流れる。
握ってる花束がくしゃ、と小さく音をたて、少しビクッとなる。
「…あの、蒼汰さん」
杏奈の遠慮がちな声が聞こえて顔を上げる。
「えと…お久しぶりです」
はにかんで恥ずかしそうに言う杏奈を見て、あぁやっぱり好きだなぁ、と思う。
「ずっと…会いたかった」
本心からの言葉。
驚いた顔を見せる杏奈に向き合う。