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want to be ...
第24章 Request Story♡ 2人の1日 Ⅱ
…途中、かなり大きな音でお腹が鳴り
「っはは、うける」
と呟きながらお腹をさすった。
杏奈の部屋にノックもせずに扉を開けると、パソコンに向かってる姿を捉えて安堵した。
いた…よかった。
「杏奈ぁ、腹減った。昼ご飯食べたー?」
後ろ姿に声をかけるが、
「…」
返事がない。
「杏奈ー…?」
カタカタと小刻みに叩かれているキーボード。
その音に紛れて聞こえないのだろうか。
「杏奈」
もう一度声のボリュームを少し大きくして呼ぶと、ようやく気付いたらしく、キーボードの音が止んで振り向いた杏奈。
「あっ、蒼汰さん!おはようございます」
「うん。昼ご飯は?」
「…へ?」
そこからしばし沈黙が流れた。
…あれ、杏奈昼ご飯って言葉知ってるよな?
昼に食べるご飯だって、知ってるよな?
何てアホな事を考えてると。
「…あ、あぁっ!あぁあ忘れてたー…!あぁー…」
どうやら忘れてたらしい。
そこまで真剣にやってたのか…
つか、いつからパソコンに向かってたんだろう。
「あー…。…あの蒼汰さん、ごめんなさい。
朝ご飯も昼ご飯も作ってないんですよ」