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want to be ...
第4章 転機
「ふーん…」
あの独特の響きを持つ声で呟いた彼。
「セフレ…ねぇ」
ふ、と片頬を上げて笑う。
ゆっくり顔を上げた彼の瞳は妖しい色を帯びていて。
「美咲の代わり…か。まあ、悪くねぇかもな…。
ただお前…美咲の代わり、ちゃんと務められんの?」
冷たい声。
「っ…、頑張り、ます」
「俺をどんな人間だと思ってんのか知らねぇけど…
結構最低な人間だよ?俺」
「えっ…」
冷たい表情…
不自然に片頬を上げた彼に、背筋が凍るような感覚があたしを包む。
冷たい表情をしてるのにどこか妖艶な顔つきをしてる彼。
「俺はね…14年前から1人の女しか愛してねぇの。
一瞬もぶれずに同じ女のことしか考えてない。
俺のことを好きだって言ってくれたのは凄く嬉しいよ、
…ありがとう。でも、俺の中での女は美咲…そいつだけ。
アンタがどれだけ俺に期待しても、尽くしてくれても、
俺がアンタを女として見ることは…ないね」
背後から思いきり岩で殴られるような衝撃があたしを襲う。
顔色を変えたあたしに、彼は更に言葉を重ねた。