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第4章 転機

初めてホテル街で会って、男女の関係になって…


また会いたいけど、きっと無理だ。


そう思ってたのに…


電車で、同じ車両の向かいに座ってて。


そして、こうしてまた助けて貰って…ただの偶然じゃないでしょ？これは。


きっと必然…出会う運命だったんだ、って気がする。


だから、この運命を逃したくない。


こうしてまた会えたんだから繋がってたいの。


それだけじゃない…


あたしは、彼の何に惹かれたの？


綺麗な顔？セックスの巧さ？


違う…彼が纏う、独特の雰囲気だ。


傍にいたい…そう思ってしまったんだ。


あたしをレイプした人なのに。


あたしを他人だと思い込み弄んだ人なのに。


好きになっちゃいけないのに…好きになっちゃった。


これはもう、陳腐な言い方だけど…運命、でしょ。


もう後戻り出来ない…


諦めるつもりないし、諦めたくない。


なら、前に進むしかないじゃない。


あたしをぼんやり捉えてる彼をまっすぐ見つめる。


やがて、そっと逸らされた視線。


俯いて、小さくため息を吐いた彼。


何度同じアナウンスを聞き流しただろう。


それくらい、長かった時間。


彼の口から放たれる言葉を、ただ…待つ。