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want to be ...
第25章 Request Story♡ 2人の1日 Ⅲ
去年は
「金はいらねーよ」
だったのに!
「蒼汰さん、花火見ながら食べましょーっ」
「おう」
おじさんにお礼を言って、大判焼きが大量に入った紙袋を抱えて歩き出す、と。
「あ!待て杏奈ちゃん、それじゃ手ぇ繋げねぇだろ」
「?」
そう言って屋台から出てきたおじさんが、手提げ袋に入れてくれる。
「重いしこれで持ってけ、そしたら手ぇ繋げるぞ~」
「わぁーっ、ありがとう!」
相変わらずサ-ビス満点!
「楽しんできな」
「うんっ」
一気に上機嫌になったあたし。
「…杏奈、それ持つよ」
「?あっ、ありがとうございますっ」
大判焼きが入った袋を持って貰い、焼きそばを半分こして食べて、かき氷を食べて、タピオカジュースを飲んで、射的をして、金魚すくいをして、花火を見た。
お金は、払うって聞かなかった蒼汰さんに全部払って貰った。
お金いっぱい持ってきてたのにー!
去年までは、お兄ちゃんや高校の時の友達や雫と来てたけど、今年は彼氏…蒼汰さんと。
彼氏、って称される人と来るのは初めてだった。
暁くんとは、付き合う前だったし。
「…綺麗だな」
「綺麗ですね」
毎年見てるはずの花火…でも、今年は違う。
蒼汰さんと見ると、一段と綺麗に見えてしまう。