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want to be ...
第26章 Secret Story 大樹 × 杏奈
「行ってらっしゃい」
「ん、行ってきます」
大学の海外研修に向かう蒼汰さんを玄関で見送る。
10日間アメリカに滞在する為、蒼汰さんの手には大きなボストンバッグとスーツケース。
かなりの荷物だ。
10日間…かぁ。
寂しいな。
今まで2日間とか3日間いない時はあったけど、10日間なんて長い期間は初めてだ。
欲求不満にならなきゃいいけど…
靴を穿いてる蒼汰さんをじっと見つめてると、あたしを振り返った蒼汰さんが苦笑いする。
「…何つー顔してんだよ。
10日間も1人でここでゆっくり出来るんだぜ?
嬉しくねぇのか?」
少し緊張気味な顔をしてる蒼汰さん。
緊張するのも無理ないよね、初めての海外だって言ってたもん。
そんな蒼汰さんの言葉に、小さく首を振った。
「…いです」
「え?何、何て?」
「…、寂しい…ですよ。
10日間も蒼汰さんいないんですもん…」
「…っ」
寂しくない訳ないじゃないですか。
蒼汰さんはあたしの一部になりかけてるんですよ?