この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
want to be ...
第26章 Secret Story 大樹 × 杏奈
大樹さんと過ごす時間はなかなか楽しくて、気付いたら1週間が過ぎてた。
朝と夜の食事の時に来るだけだけど、それだけでよかった。
有り得ないけど、こうして一緒にいる内にあたしの中に、大樹さんへの恋愛感情なんて生まれたら大変だからね、有り得ないけど。
…そんなあたし達に。
この後とんでもない事が起こるなんて、思いもしなかった…
「…ん」
大学から帰ってきて夜ご飯の下ごしらえをして、いつの間にかソファーで寝てしまっていたらしい。
重たい体を起こし、少しぼんやりする。
大樹さんそろそろ来るだろうから、準備しないと。
ふわふわしてる髪をポニーテールで結んでキッチンへ向かい、グラタンにチーズをかけて焼き器に入れる。
ひどく喉が渇いて、グラスに水を注いで飲み干した。
…と、
「こんばんは」
と大樹さんが小さく微笑んで入ってきた。
「あ、こんばんは。タイミングいいですよ、
今グラタン入れたところなんです」
「ん、今日グラタンなんだ」
「はい。大樹さんのチーズ多めにしときました」
「やった」
嬉しそうに微笑む大樹さん…可愛い。
それからグラタンが出来るまで他愛ない話をして、出来上がると2人で向かい合って食べ始めた。
話してる最中、ふと
「…ビール飲みてぇ」
と呟いた大樹さん。
「あっ、持って来ますよ」
「ありがと」