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want to be ...
第26章 Secret Story 大樹 × 杏奈
「…はぁ」
ため息を吐いて、胸を撫で下ろす。
よかった。
これで、ビールとおつまみのさきいかを買って無事部屋まで帰ればいいんだ。
そしてあたしはコンビニでビールとさきいかを買い、当然何事もなく7階につき、部屋に入った。
まだグラタンは焼いてる途中らしい。
…あ、大樹さんうとうとしてる。
頭をカクカクと揺らす大樹さんの後ろ姿を微笑みながら見つめ、ビールとさきいかを机の上に置いてグラスを取りにキッチンに向かう。
グラタンが焼き上がると、大樹さんを起こして2人で食べ、さきいかをつまみながらビールを飲みながら、美咲さんや蒼汰さんの話に華を咲かせた。
そう、している内に。
いつの間にか、夢の事はすっかり記憶から抜け落ちていた。
面白い夢を見て目が醒めて、誰かに話そうとする前に忘れてしまう、不思議なあの感覚のように、綺麗さっぱりと。
そして、美咲さん達がアメリカから帰ってきた。
「杏奈」
「…っ蒼汰さん」
「ただいま…」
「おかえりなさい…」
隣の部屋の前で熱烈なキスを交わしてる2人を横目に柔らかく微笑む蒼汰さんに抱き着く。
「…ん、積極的」
…だって。
お願い蒼汰さん、早く抱いてください。
なんかね、あたし…おかしいの。
蒼汰さんに2週間も抱かれてないのと、とある日を境に…体が疼いておかしくなっちゃってるんです…