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want to be ...
第29章 素直な気持ち 雫SIDE
瑞季の家に着き、入り慣れた部屋に足を踏み入れて、立ち尽くした。
ところどころに置かれてるあたしの私物。
私物とか、下着とか、パジャマとか、歯ブラシとか、シャンプーとリンスとか、コンタクト用品とか、講義用のノートとか。
一時期半同棲みたいな感じになってたから、必要最低限の私物が置いてあって。
西野先生との噂があった時、いつか取りに行かなきゃなって思ってた。
だって普通嫌じゃん、彼氏の家に他の女のものがあったら。
でも結局取りに来なかった。
西野先生と瑞季への牽制のような感情があったから。
瑞季…あたしの私物を見て、いつでもあたしの事思い出してよ。
都合のいい存在だと思われてたんなら意味ないけど、あたしはここに毎日のように通ってたんだよ。
西野先生…瑞季はあたしのなの。
私物を置かせて貰えるくらいの存在なの。
誰にも、渡さないもん…
部屋を見渡して、止まったはずの涙が溢れた。
変わって、ない。
西野先生と付き合ったのなら、あたしの私物…隠されてるか捨てられてるかと思ってたのに。
逆に西野先生の私物で溢れてるのかなって思ってたのに。
何も、変わってない…