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want to be ...
第6章 ヤキモチ
…いちかばちか。
7004と書かれた扉の前に立ち、深呼吸する。
カードをかざそうとして、…すぐに手を引っ込めた。
セキュリティって…きっとすごいよね。
もし違う人の部屋だったらとんでもないことになっちゃわない…?
どちらの部屋にしても、勝手に入ったら不法侵入だよね。
チャイムあるし、押して…みようかな。
震える指で、チャイムを押した。
ピンポーン、と中で微かに音が聞こえる。
どうしよう…緊張する。
もし間違えてて美咲さん出て来ちゃったらどうしよう…
何て言おう。
考えながら待ってると、鍵を開ける音がしてゆっくり扉が開いた…
「はいはい、蒼汰?…、…」
「蒼汰さっ、…あれ?…っ」
え…っ!?
あたしの目の前に立ってるのは、上半身裸の、同じ人間かと疑うくらいかっこいい男の人。
待って待って、何この人!?
…え!?
もうかっこいいどころじゃない!
てか、凄く綺麗な胸板…!
思わずまじまじと胸板を見つめてしまう。
すると、変な人だと思われたのか扉がだんだん閉まっていっちゃったから、慌てて扉を押さえて男の人を見上げる。
「あのっ!…蒼、…っあ、矢野さんに用があって!
矢野蒼汰さんの部屋って…」
あぁ、あたしのバカ!
ここじゃないなら隣って分かってるのに!
怪訝そうな表情でああ…と呟いた彼。
「隣だけど…」
と指を差され、ぺこぺことお辞儀をする。
綺麗な声だな…
てか、ほんとかっこよすぎて直視出来ない!
再び顔を赤くすると。
「大樹ぃ、誰ー?」
奥の方から、聞き覚えある声が聞こえた。
…この、声。