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want to be ...
第7章 解…消?
「な…杏奈。俺がお前を杏奈として抱き始めたの…
いつからだったか覚えてる?」
「知りません」
セフレ関係になってから5か月と10日目。
知ってるけど。
てかそんな貴重すぎる日、忘れるわけがない。
ちゃんと手帳に、1日何があったかつけてるんだよ。
あたしを呼ぶ名称が「美咲」から「杏奈」になった…あの時の喜びは、ものさしだのメジャーだのでなんて測れない。
嬉しくて嬉しくて、いつもより甘い声で喘いじゃった覚えあるんだもん。
毎月10日はケーキ買ってお祝いしてるし。
…1人でだけど。
そのあと一度だけ「好きだ」って言われた日もあるんだよ。
全部…覚えてる。
「可愛くねぇな…
もうちょっと可愛くなかったっけ杏奈」
「ふん。可愛くなくて悪かったですね」
「なぁ…聞いて?」
ねぇ。
どうしてそんな優しい表情であたしを見るの?
やめてよ…嫌われるような言葉をあたしはあなたにたくさん吐き捨てたのに。
美咲さんを見るような表情であたしを見ないで。
唇を噛んで俯くと、あたしの髪を撫でながら蒼汰さんは勝手に話し出した。