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アンバランスなsweet
第15章 やり直す為に

「紫乃さん。さっきこの傷のこと、凄く気にしていたよね」
テーブルの上。
薄紙に包まれたその柔らかなフォルムを描くもの。
それは静かな存在感を放ったまま―――
私の視線はそこに釘付けになっていた。
「この傷は‥‥、里奈の新しい彼氏につけられたんだよ 」
「‥‥えっ」
里奈ちゃんの彼氏‥‥その言葉に、
思わず卓さんの顔を見上げる。
―――それっていつのこと?
最近、里奈ちゃんを避けていたから、
私はその事実を知らなかった。
真くんは理由なく人をそんな目に合わせる人じゃ無い。
どちらかと言えば人を守る為に耐える人だと思う。
それは人違いじゃないのか、そう思う私に、
「チビなクセして、いいパンチだったよ。
強い眼をしていた。
そこのバス停で里奈を見つけて。
そいつと一緒だったから、チャンスだと思った。
―――怯えられなくて済む。
そう思って、声を描けた。
その時里奈の肩を触ったから‥‥、里奈がびっくりして。
結果、こんなはめになった。
俺も一発おみまいしたから、あいこだろ。
でも。
アイツになら里奈を任せられる、そう思った。」
テーブルの上。
薄紙に包まれたその柔らかなフォルムを描くもの。
それは静かな存在感を放ったまま―――
私の視線はそこに釘付けになっていた。
「この傷は‥‥、里奈の新しい彼氏につけられたんだよ 」
「‥‥えっ」
里奈ちゃんの彼氏‥‥その言葉に、
思わず卓さんの顔を見上げる。
―――それっていつのこと?
最近、里奈ちゃんを避けていたから、
私はその事実を知らなかった。
真くんは理由なく人をそんな目に合わせる人じゃ無い。
どちらかと言えば人を守る為に耐える人だと思う。
それは人違いじゃないのか、そう思う私に、
「チビなクセして、いいパンチだったよ。
強い眼をしていた。
そこのバス停で里奈を見つけて。
そいつと一緒だったから、チャンスだと思った。
―――怯えられなくて済む。
そう思って、声を描けた。
その時里奈の肩を触ったから‥‥、里奈がびっくりして。
結果、こんなはめになった。
俺も一発おみまいしたから、あいこだろ。
でも。
アイツになら里奈を任せられる、そう思った。」

