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アンバランスなsweet
第17章 甘い疼き
卓さんと会った日。――真くんに抱き締められた日から、1ヶ月が過ぎた。


季節は冬から春に変わろうとしていた。
雪が降り続く日が少なくなって。

空の色が雪空の灰色から青い空へ変わりつつあり、身を切るような寒さが少し緩んできている。


そんな明るい季節が近付いているのに、
私の心はまだ真くんとの時間に捕らわれている。



私は…片桐さんに、卓さんのこと…真くんのこと聞かれちゃうかな…なんて少し構えて毎日を過ごして―――


あんなに…真くんが怒っていたし。

あの雪の日…片桐さんと私で、里奈ちゃんを家まで送り届けた。
脅えた里奈ちゃんを片桐さんは知っているから――片桐さんも里奈ちゃんのことを気にかけていた。


卓さんの存在は、真くんにとっては周りに警告する出来事に違いない。
少し落ち着いたと思ったストーカー騒ぎだったけれど、本人をまた目にしてしまったんだから。


みんな――卓さんのこと誤解している。
それを解っているのは私だけで。
私はそのことをまだ誰にも打ち明けられないでいた。




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