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アンバランスなsweet
第19章 紅い花
少しだけ大人っぽく見える、
レースがたくさん使われたそれは……

いつもはドット柄の上下や
ストライプの上下などの、
着心地優先な下着の私にとっては少し冒険した
ランジェリーだった。


片桐さんの住むアパートまでは私の家から車で15分ぐらいの場所にある。


「たまには紫乃が運転しておいで」


デートの際に、片桐さんのアパートに立ち寄ることが何回かあったから、その場所は知っていた。



――――紫乃が運転しておいで……



それは自分の意思で部屋においで――そういうことだと思う。

片桐さんに言われたその言葉に、…少しドキリとした。


私のこの真くんへの気持ちは、
里奈ちゃんだけでなく、片桐さんにも気づかれてるのだろうか……なんて思った。


初めて遊びに行くのに、
手ぶらじゃ悪いかな…と新しく駅前に出来たcafeの新商品、『林檎のゼリー』を手土産にして。

私は、その手土産の袋のひもを握りしめて…
立ちすくみ迷っていた。



片桐さんのアパート。
その部屋のドアの前で―――――――――…。



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