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アンバランスなsweet
第21章 覚悟

他の誰かの物になった紫乃のことは諦めるしかなかった。それが紫乃が選んだことなら。
それも相手は先輩の片桐さんで、尊敬すべき人だ。
あの人なら紫乃を幸せにしてくれるそう思ったから。
俺の出る幕は無い。
だから、里奈ちゃんのその問いに俺はそう答えた。
そう答えるしか―――…。
他の男の彼女に告白出来る程、俺の心臓は強くない。
紫乃のことだから俺の気持ちを知れば、応えられないその気持ちに悩むだろう。
そして落ち込むに違いないんだ。
―――好きな女にそんな顔…させたい男はいないだろう?
『最近、紫乃さんの様子が少しおかしいんです。
なんだか――誰かの身代わりみたい。
人って好み…そんな急には変わらないと思うのに。
――なんか紫乃さんらしくないっていうか。』
里奈ちゃんのその言葉。
――紫乃らしくない。
それが、俺の心にずっと引っ掛かっていた。

