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第21章 覚悟

『真さんは、紫乃さんにきちんとフラれたほうが良いです』

『里奈ちゃん、俺、振られちゃうんだ？』

『私は、紫乃さんが幸せになって欲しいので、紫乃さんが片桐さんが好きならそれでいいんですけれど。
でも、真さんはそれでは……前に進めないんじゃないかなぁ、なんて思うんですよね』


淋しそうな里奈ちゃんの瞳に、彼女が自分のその過去に思いをはせている、そんな気がした。


それは里奈ちゃんの向き合う問題で、俺が口を出す事では無い。


彼女に危害を加える……それは、もちろん論外なのだか、自分で乗り越えるしかない事は人生にはつきもで。多分そういうものなのだろう。


『……でも、紫乃さんと真さんはお似合いだと思うんだけどな』

『ありがとう里奈ちゃん。その気持ちだけ貰っとく』

『私も紫乃さんと遊べなくて淋しいんです。紫乃さんはどうも、私と真さんが付き合ってるって思い込んでる気がします』