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アンバランスなsweet
第23章 対峙する心

辛そうだった片桐さんの表情が少し和らいで。
重苦しかったその空気が、ラストノートみたいな余韻を含んだそれに変わった。
「……頑張れ、とはまだ言えないけど、でも、紫乃の本気が見たい、とは思う。
当たって砕けたら慰めてあげるよ。」
表情が柔らかくなった片桐さんの視線の先には写真の亜子さんが微笑んでいる。
小さな声で、片桐さんが――亜子、これで良いんだろ?そう呟いたような気がした。
写真から私を視線を移した片桐さんの私を見つめるその瞳は優しくて、そして寂しそうに揺れていた。
片桐さん――。
それは、私と……別れてくれるってことですか?
―――私に、真くんに告白しろってことです、か?

