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アンバランスなsweet
第23章 対峙する心

「ごめん。紫乃。
今、熊さんから電話があって。
火災が発生したらしい。
俺達にも緊急召集が掛かった。
直ぐに分署に向かわないと行けない。
紫乃のことは途中で降ろして行くから。」
―――今日は片桐さん達は非番のはずじゃ…!
さっきまでの片桐さんの顔が非番の時のものならば、今の片桐さんは消防士の顔だった。
バタバタと仕度をして片桐さんの車に乗り込み、私は自宅近くで降ろして貰うことになった。
車の中。
片桐さん運転する雰囲気が、その空気がさっきとは違って、前を見据えた瞳に緊張感が満ちていた。
車の窓から煙がみえた。
かなり大きな火事のようで、東の方向に黒煙が空高く昇っていく様から私は目が離せなかった。

