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BLACK WOLF
第2章 甘い誘拐

母が亡くなって1週間が過ぎた。
私は1週間振りに東京のアパートに戻った。
予想はしていたが、光熱費の請求書や広告やDMやらでポストはパンパン。
鍵を開けて部屋に入れば真っ暗だが、カーテンを開け窓を開ければ埃がブワッと舞った。
あと、山から降りた瞬間に一気に携帯が鳴り出しサーバーでストップしてたメールが一気に流れ込んだ。
山奥じゃ電波が届かないから。
「はぁ、疲れた…」
荷物をほどく前に私はベッドに体を投げ出した。
移動時間もそうだが、東京はゴミゴミし過ぎて人酔いしてしまいそうになる。
実家じゃあんなに時間がゆっくり過ぎてたのに。
ハルちゃんは週明けには東京に帰ってた。
最後の最後まで私の心配ばかりしてたな。
完璧じゃないにしても、何とか母を見送った。
もしかしたら、どこか間違ってたかも知れないし旅立つ母に叱られたかも知れない。
もう母のお小言も冗談も聞けなくなると思うと、まだ涙が滲む。
けど、私の頭の中には母の葬式や告別式の次に気にかかることがあった。
あの日、私が田舎に帰った日に
母に挨拶に来たあの真っ黒な男性は誰だったのだろう。
また伺いますとか言ってたけど、私が東京に帰るまでの1週間、結局姿を現さなかった。
次に来たときは母との関係を聞き出そうと思ってたのに、結局聞けずじまいで私は東京に帰って来たのだ。
母に世話になったとか言ってたけど…。
母は私が上京したあと、一体何をしてたのだろうか?

