この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
BLACK WOLF
第9章 罪と罰
あ…
私、この香り、知ってる…。
これは甘くて、だけどとても危険な香り。
私がこの世で1番恐怖を感じる香り。
薔薇の香り。
薄れ行く意識の中、鼻の奥に残る香りが私の恐怖を倍増させる。
そして、うっすらと見えた私の後ろにいる黒い何か。
「手間かけさせてんじゃねぇよ。田舎娘が」
…待って。
私、まだハルちゃんに"さよなら"も言ってない。
"ありがとう"も"ごめんなさい"も何も。
今黙っていなくなったらハルちゃんにまた迷惑かけちゃうから、せめて最後にちゃんと、ハルちゃんと…
「ハ、ハルちゃ…」
「なぁ、舞。さっき言ったお前の下着なんだけどさ…さすがに女性の下着売り場に入る勇気はないから、お前好きなの勝って来いよ。金なら気にしなくても…」
「あれ?舞…?」
お願い、これ以上
ハルちゃんを傷つけたくないの…っ。