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BLACK WOLF
第12章 その鋭い牙で仕留める如く
冷蔵庫から取り出した黒埼さんの手に持たれているその瓶。

半透明の瓶に綺麗な金のラベルが貼ってあるお洒落な瓶だ。

こんな綺麗なお酒、初めて見た。

「正真正銘、今開けたところだ」

中には何も入ってないということを証明するためだろう。


ナプキンを手に取り瓶に添えながら瓶を傾けコルクに指を装填して…



「危ないぞ。耳塞いでろ」

「え?どうし…」━━━━━━━━━━━ポンッ!!




指で抜かれたコルクは勢いよくロケットのように飛んでいき部屋の片隅でガタンッという音をたてて落下したようだ。

その光景と音に呆気に取られてしまった。

一瞬何が起きたのかわからなかった。

が、黒埼さんの手の瓶を見ると勢いよく炭酸がシュワシュワと溢れている。

素早くグラスを持ちシャンパンを注いでくれた。



自慢じゃないがあんなもの初めて見た。

シャンパンというお酒の種類は知っていたがあんなふうに開けるなんて初めて知った。

あのコルク、電気や窓に当たったら危ないだろうな。



そんな事を考えていると黒埼さんが私のグラスにもシャンパンを注いでくれた。

ゴールド色した炭酸水。



「シャンパングラスじゃなくて味気ねぇけど、どうぞ」



溢れた炭酸水を拭きながら私にそう進めてくれた。

見た目はジュースみたいで美味しそうだけど、ワインの時みたいに苦かったり渋かったりしたら嫌だな。

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