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BLACK WOLF
第13章 尻尾を逆立て、爪を磨き
「ハルちゃん…」
これ以上、ハルちゃんを傷つけない。
絶対、口に出さないと決めてた。
絶対、口が裂けても言わないと決めてた台詞。
これを言えば、今度こそハルちゃんとの永遠の別れになってしまう気がしてたから。
私の腕の中にいるハルちゃんを諭すように、小さく呟いた。
「ハルちゃんの卵粥、美味しかったよ。ありがとう」
「舞、お前…」
今度こそ、本当に
さようなら、ハルちゃん。
ハルちゃんを抱き締めながら
黒埼さんに背を向けながら、心を決めた。
もう迷わない。
「黒埼さん、あなたと一緒にL.Aに行きます。一生あなたに付いて行きます」