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BLACK WOLF
第13章 尻尾を逆立て、爪を磨き
「お前は…、こんな男を…っ」
「私とハルちゃんは何もなかったんですっ!」
私の腕の中で小さく震えるハルちゃんを、守りたいと思った。
「何も…?」
「確かに、ハルちゃんは私を好きだと言ってくれました。でも、私はハルちゃんの気持ちに応えられませんでした…。だから…」
ハルちゃんの気持ちに応えられなかった。
でもそれは、ハルちゃんを嫌いだからじゃない。
ハルちゃんを男性として見てなかったとかじゃない。
ハルちゃんの気持ちを利用して黒埼さんを忘れようとした、そんな自分が嫌だったからだ。
こんな気持ちのままでハルちゃんの気持ちに向き合う事が出来なかったから。
本当は、何もなかったようにハルちゃんの気持ちと向き合いたかった。
ハルちゃんの気持ちだけをちゃんと考えたかった。
「だからこれ以上…、ハルちゃんを傷つけないでっ!ハルちゃんに何もしないでっ!」
「舞…っ」
いつの間にか私の腕には力が入ってて、気づけばハルちゃんを抱き締めていた。
庇うだけの体制だったのに、いつの間にか。
「ごめんね、ハルちゃん…。私のせいで…」
「…舞のせいじゃねぇだろ……」
ハルちゃんの声が震えてた。
小さく震える声で、でもいつもみたいに私を慰めるような声で。
「は…っ。純愛ってやつか?馬鹿馬鹿しい。お前ら今置かれてる現実、わかってんのか?」
わかってる。
この人は、本気でハルちゃんをボロボロにしようとしてる。
こんな卑怯な狼の手で私とハルちゃんは…。
でも、私はもう知ってる。
ハルちゃんを守る方法を知ってる。
これ以上、ハルちゃんを傷つけないでいられる方法を。
「私とハルちゃんは何もなかったんですっ!」
私の腕の中で小さく震えるハルちゃんを、守りたいと思った。
「何も…?」
「確かに、ハルちゃんは私を好きだと言ってくれました。でも、私はハルちゃんの気持ちに応えられませんでした…。だから…」
ハルちゃんの気持ちに応えられなかった。
でもそれは、ハルちゃんを嫌いだからじゃない。
ハルちゃんを男性として見てなかったとかじゃない。
ハルちゃんの気持ちを利用して黒埼さんを忘れようとした、そんな自分が嫌だったからだ。
こんな気持ちのままでハルちゃんの気持ちに向き合う事が出来なかったから。
本当は、何もなかったようにハルちゃんの気持ちと向き合いたかった。
ハルちゃんの気持ちだけをちゃんと考えたかった。
「だからこれ以上…、ハルちゃんを傷つけないでっ!ハルちゃんに何もしないでっ!」
「舞…っ」
いつの間にか私の腕には力が入ってて、気づけばハルちゃんを抱き締めていた。
庇うだけの体制だったのに、いつの間にか。
「ごめんね、ハルちゃん…。私のせいで…」
「…舞のせいじゃねぇだろ……」
ハルちゃんの声が震えてた。
小さく震える声で、でもいつもみたいに私を慰めるような声で。
「は…っ。純愛ってやつか?馬鹿馬鹿しい。お前ら今置かれてる現実、わかってんのか?」
わかってる。
この人は、本気でハルちゃんをボロボロにしようとしてる。
こんな卑怯な狼の手で私とハルちゃんは…。
でも、私はもう知ってる。
ハルちゃんを守る方法を知ってる。
これ以上、ハルちゃんを傷つけないでいられる方法を。