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BLACK WOLF
第14章 夢をみていた獲物






『舞っ!戻って来いって!お前がそんな奴の言いなりになることねぇだろっ!!』

『ふざけんなっ!俺は…、こんなことでお前と別れたくねぇよ…っ』















耳の奥に残ってる、ハルちゃんの最後の声が。














『舞ーっ!!』











夢にまで出て来た、ハルちゃんの最後の姿。













あの日、ハルちゃんの前で黒埼さんに禁断の一言を言ってしまった。

ハルちゃんを守るにはあーするしかなかった。

黒埼さんは私とハルちゃんとの間を疑ってたんだ。

それで、私とハルちゃんを引き裂く為にハルちゃんの目の前であんなシーンを見せつけたんだ。

私が誰の所有物かわからせるために。

そーした上で2度と会えないようにL.Aに連れて行こうとしてるんじゃないのかな。



私が黒埼さんの言うことを聞いて、ハルちゃんと2度と会えない場所へ行くと誓えばハルちゃんには何もしないでいてもらえる。




「くすくす…、そんなの吹っ切ってハルちゃんと逃げればよかったのにね」




私が黒埼さんと付いて行くと言った瞬間、黒埼さんはニヤッと笑い携帯電話でどこかへ電話をかけた。

しばらくすると電話をもらった2名のガードマンがやってきて抵抗するハルちゃんを羽交い締めにして出て行ってしまった。

強制連行されるハルちゃんが私に必死に叫んでいて、その声がずっと耳に残ってる。




『舞っ!戻って来いっ!舞…っ、舞ぃぃ…っ!』




私の名前を呼ぶ声。

もう聞こえない、聞きたくても聞けない。

私を甘やかしてくれたあの腕も、あの優しい笑顔も、もう…。


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