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BLACK WOLF
第15章 耳をすませ、爪を研いで







私は、黒埼さんの言う通り、私は本当に何も知らない田舎娘だ。

本当に何も知らずに生きてきた。











黒埼さんの家を出て半月が経った。

私は叔母さんに頼み込み、叔母さんと同じお弁当屋さんで週5勤務で働いている。

お弁当屋さんと言っても業者から届く使い捨ての弁当箱に盛り付ける仕事。

フルタイムの叔母さんと違い私は朝の9時から15時までのパートタイム。

叔母さんの紹介だし断るわけにもいかず、いきなり雇ったものだから他の社員さんとのシフトの兼ね合いもあったのだろう。


そして、私は叔母さんと一緒に住んでいる。

私が先に帰った日は私が先に家事をし、少しでも叔母さんの役に立つようにしている。

それに、いつまでもここにご厄介になるわけにはいかない。

早くお金を貯めてアパートを見つけなきゃ。

それと、もう1つ━━━━━━━。





「大丈夫、舞ちゃん。疲れてない?」

あ……。

「うん。大丈夫だよ、叔母さん」

お弁当を盛り付けながら考え事をしてしまったのか、作業場で思わず手が止まってしまっていた。

…いけない、仕事中なのに。

無理を言って紹介してもらった職場なんだからしっかり働かなくちゃ。

私と叔母さんを含めキッチンの盛り付けの職場には常時4人の社員さんがここで仕事をしている。

盛り付けたお弁当はいろんな会社に届けられる。

「舞ちゃんが来てくれたお陰で仕事が捗るよ。やっぱり若い子は体力があるね~」

「そう言ってもらえたら嬉しいです」

無理を言って働かせてもらってるのに他の社員さんはみんな優しい。

見た限り叔母さんと年の近い人達ばかり。





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