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BLACK WOLF
第16章 悲しき遠吠え
もう逃げない。
もう迷わない。
自分から。
自分の運命からも、現実からも逃げない。
私のお父さんがそうしたように。
黒埼さんに抱かれた日、お風呂を借りて、黒埼さんが用意してくれてた服に着替え、私は黒埼さん邸を後にした。
外に出ると、黒埼さんが呼びつけてくれたであろうタクシーが私が出てくるのを待ち構えていた。
そのタクシーに乗り、揺られながら私は叔母さんの待つ家へと帰宅。
家に戻ると時刻は既に夜の21:00だ。
叔母さんは酷く心配してくれていたけど、私の無事を知り一安心してくれた。
その後は叔母さんと食事をして床についたが、私の心は酷くざわついていた。
友達と遊ぶと嘘をつき黒埼さんに会いに行ったこと。
会いに行っただけならまだしも黒埼さんに抱かれて、黒埼さんと一緒に登り詰めてしまった…。
私がされてきたことを叔母さんが知ったら、きっと卒倒するだろう。
「舞ちゃん、明日は仕事?」
「明日は私はお休みだよ。家事は私がしておくから任せといて」
それでも、いつもと同じ会話が出来てしまう自分が少し嫌だった。
黒埼さんの気持ちを知り、いつものように攻められて、獣のように喘いだその日の夜、私は笑顔で叔母さんと喋っている。