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BLACK WOLF
第5章 真っ白な壁
「はなし…離してよぉ…っ!私もお母さんのところへ…」
「いいか、よく聞け。お前は俺が買ったんだ。お前のこれからの人生を全部買い取ったんだ!お前は俺のもんだっ!勝手な事はするなっ!」
わかってる。
そんなのわかってる。
わかってるから、そんなに何度も何度も繰り返し口にしないで。
逃げられないんだと実感して涙が止まらなくなる。
黒埼の言葉1つ1つがナイフみたいに心臓に突き刺さる。
「ふっ、ひっく…」
「よく覚えとけっ。お前の命すら俺のものなんだ。勝手に死ぬことも、母親の元に行くことも許さない」
脱衣場の薔薇の香り。
私を離そうとしない黒埼の腕の中も同じ香りがした。
さっきにも増して強く香る薔薇の香り。
その香りが私を支配して行く。
「いいか、よく聞け。お前は俺が買ったんだ。お前のこれからの人生を全部買い取ったんだ!お前は俺のもんだっ!勝手な事はするなっ!」
わかってる。
そんなのわかってる。
わかってるから、そんなに何度も何度も繰り返し口にしないで。
逃げられないんだと実感して涙が止まらなくなる。
黒埼の言葉1つ1つがナイフみたいに心臓に突き刺さる。
「ふっ、ひっく…」
「よく覚えとけっ。お前の命すら俺のものなんだ。勝手に死ぬことも、母親の元に行くことも許さない」
脱衣場の薔薇の香り。
私を離そうとしない黒埼の腕の中も同じ香りがした。
さっきにも増して強く香る薔薇の香り。
その香りが私を支配して行く。