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BLACK WOLF
第6章 狼は爪を研ぎながら
「んっ、痛…っ」
身体中の痛みで気づくと、そこは━━━━
黒埼が私のためにと用意してくれたあの部屋。
私を閉じ込める為の部屋。
枕元に置かれた時計を見ると時刻はAM10:30。
カーテンの隙間からは明かりが差し込んでいた。
昨日、脱衣場で自殺未遂をした私を落ち着かせるとムリヤリ私を風呂に入れ、茫然とする私の髪を洗い体を洗い
部屋に連れて来られてそのまま絶望の中、眠ってしまったのだ。
髪は黒埼が乾かしてくれて、今着てるこの真っ白なシルクのパジャマも黒埼が着せてくれたのだろう。
ほとんど覚えてないけど。
体中、筋肉痛のように痛い。
左手の手首には包帯が巻かれていた。
…弾みで少し切れちゃったんだ。
もっと深く切れば楽になれたのに。
AM10:30。
本当なら大学に行ってるはずの時間だ。
ベッドから降りようと体を起こしたが、体のあちこちがズキズキ痛い。
起きても何もする事もないし、何かする気力も湧かない。
夢であって欲しいと願ったけど、目を覚ましてこの部屋の天井を見た瞬間、現実なんだと改めて痛感した。
…あ、そー言えば、黒埼が私のアパートから持って来たって言ってた荷物。
まだ中身の確認してなかったな…。
段ボール1つ。
ほとんどの荷物は捨てたって言ってた。
けど、それでも私の私物はいくつかあるだろうと痛む体をムリヤリにベッドから剥がし段ボールの元へと歩み寄った。