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煮詰めたシチュー
第10章 雑記 哀しい病
今から6年前、私達夫婦に大変辛いことがありました。
片時も辛さが心を離れず、やりきれませんでした。
息子の葬儀を終えてひと月ほど過ぎた頃から、病気でもないのに、手足に鉛を巻いたように体が重く感じるようになりました。
何もかもがおっくうになり、起き上るのも嫌で、¨俺はこんなに怠け者だったかな¨と自己嫌悪する日が続いていました。
客観的には重症ではないけれども、実感として辛いという状態で、空腹感がなく、妻が用意してくれた朝食を無理やり押し込むのが精いっぱいで、昼はもちろん、夜は食ってきたと嘘をつき、食事もほとんどしていませんでした。